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​鳴

作成者: よう

対応システム: CoC

難易度: ★☆☆☆☆ 

戦闘: 無 / 発狂: 中  / ロスト: 低

シナリオ傾向: 探索 /舞台: 現代

推奨人数: 1人~ / 所要時間: 

 

推奨職業: ―

推奨技能: 《聞き耳》《忍び歩き》

シナリオ目的

怪奇現象の調査

本編

導入1

探索者が怪奇現象に通じているという噂を聞き、住んでいる部屋の調査を依頼してきた。

色々と事情を話し、「大したものはないし、自分もゆっくり休みたいから」と言って鍵を渡された。

 

依頼主(只野)が言うに、事故物件と承知の上で借りてはいたが、壁には人のようなシミがあり、夜になると変な音が聞こえたりしているという。最近では、テレビが見れなくなることもあり困っているとのこと。

右隣の住人は旅行で留守、左隣は老人の一人暮らしで一応探索者たちが来ることを伝えてくれたようだ。

 

導入2

いわくつきの部屋に住んでいる友人に頼まれて、古いアパートへと向かう探索者。

「君は怪奇現象に興味があるみたいだし、一日部屋を貸すから出来れば解決とかしてくれないか?多少騒いでもいいからさ」と少しやつれた様子の友人(只野)は言う。「あっ、大したものは置いてないとはいえ物は壊すなよ!」と忠告をしつつ鍵を渡してくれた。

彼の言う現象は三つ。「人の形をした壁のシミ」「夜になると聞こえてくる奇妙な音」「テレビが突然見れなくなる」これを解決というか安心できるよう説明してほしいらしい。

左隣(201号室)は老人の一人暮らしで一応探索者が来ることは伝えてくれており、右隣(203号室)は旅行で留守である。

 

 

夕方、古いアパートの前から始まります。

※二人以上でやる場合はメインで頼まれた人を決めてください

部屋

【描写】202号室。大したものはないと本人が言った通り、テレビや棚など生活必需品が一通り揃っただけの質素な和室な1DK。□

 

・室内全体

《目星》

成功:早速、入って左(老人の住んでいる201号室側)の壁にあるシミが目につく。言われてみれば人が座っているように見えなくもない。

失敗:古いアパートだな

 

・壁

《目星》等

成功:日焼け跡のようだ。頭の形やフォルムから大型のクマのぬいぐるみではないかと思う。ただ、ここが事故物件であることを考えるとぬいぐるみの日焼け跡でも複雑な気分だ。

 

失敗:奇妙だ。ぞわぞわしてくる。

 

・テレビ

【描写】特に変わったところはなく、普通に映っている。チャンネルを変えると一か所だけノイズが激しい。□

《機械修理》等

成功:アンテナケーブルの接続が緩んでいる。さし直すとノイズは消えた。

 

または

《知識》

成功:アンテナケーブルの緩みやアンテナの向きでノイズがおこることを思い出す。案の定、確認するとケーブルが緩んでいた。

 

・棚

【描写】たまに珍妙な小物があるが、目ぼしいものはない。□

 

探索者(メイン)に《幸運》判定をさせてください。

成功:今留守にしている隣人が、海外の民芸品を集めるのが好きな人だと依頼主(友人)が言っていたのを思い出す。確か、今回の旅行前にも何かを渡されたと言っていた気がする。

 

失敗:特に何もない

【イベント1】二つの現象が解決したら……

 

【描写】怪奇現象と言われていたが、あっさりと二つの問題を解決し「夜中の奇妙な音」を残すのみとなった。そろそろ時間もいい頃だろう。□

 

探索者に《聞き耳》(強制)判定をさせてください。

成功:微かに「ゴリゴリ」「カチカチ」と音がする。壁のシミがあったほう(201号室側)からだ。

 

失敗:何も聞こえない

※誰も成功(聞こえなかった)しなかった場合は、「何も聞こえないと思い気を抜いた瞬間、壁のシミの方から「ゴリゴリ」「カチカチ」と奇妙な音がする。」正気度チェック(0/1)

 

壁に近づき再び《聞き耳》

成功:《人類学》+40または《知識》+20で判定させてください。

   ∟《人類学》または《知識》

    成功:こちら側が老人が住んでいること、また壁が薄い

       アパートであることから、これは歯ぎしりの音では

       ないかと推測する。夜になったばかりの時間である

       が、老人ならばあり得ないことではないだろう。

 

    失敗:《アイデア》成功またはロールなしで、

       これは歯ぎしりっぽい!と思う

 

失敗:特に気になる音はしない。

【イベント2】微かな音

「夜中の奇妙な音」の原因もおおよそ判明したと思った直後、別の奇妙な音が聞こえた気がした。それは先ほどとは違い、背中を虫が這っているような気持ちの悪さがした。

《幸運》

成功:反対側(203号室)の壁のほうから聞こえていたのに気付く

失敗:どちらから音がしたかは覚えていない

 

※以降《聞き耳》について

成功すると、正気度1ポイント減少。

その都度、徐々に狂気に蝕まれる表現が入るため、それぞれ成功回数をカウントしておくこと

 

表現目安表

成功一回目:胃の辺りがぞわぞわする

成功二回目:嫌なことを思い出す

成功三回目:嫌な記憶が頭から離れず、落ち着かない気分になる

成功四回目:どうしようもない不安にとらわれる

成功五回目:どこからともなく、今まで感じたこともない悪意を感じ空虚感に苛まれる。

 

 

探索者のうち一人が《聞き耳》で正気度を3ポイント減少したとき、今まで聞こえていなかった探索者にも「突如聞こえだし」正気度チェック(1/3)

さらに失敗した(正気度-3減少した)場合には、プチ一時的狂気で《アイデア》判定を行わせ成功したら「この世のものとは思えぬ不吉な旋律にただならぬ恐怖を感じ少しの間立ちすくんで」しまいます。

 

 

 

また、一人が《聞き耳》を成功し聞こえた場合、他の探索者ももう一度集中して聞こうとすることが出来る。

その時は、[POW×3]%の判定。しかし、成功しても耳を刺すような音が聞こえるだけである。(正気度減少なし)

【イベント1】の依頼主の悩み三つはただの勘違い(茶番)なので、判定を優しくしても構いません。失敗しても《アイデア》なんかで閃かせても大丈夫かと。ロール回数多いほうが楽しいかな?という意図です。

狂気の笛の音が鳴り出してから、探索者たちがなかなか【イベント3】隣の部屋に行かない場合、5分間隔など(按配はKP次第で)で強制《聞き耳》をさせてください。(さくっと進めば聞き耳を五回成功しなくてもクリアできる、一時的狂気にならないように設定しているつもりですが)止めないと本当に一時的狂気に陥ってしまうので、動いてくれるよう促しましょう。

 

笛の発動はたまたまなのか、依頼主もきいていたのか、誰かの悪意があったのか……。理由はKPにお任せします。(一応怖いもの見たさ、な好奇心は何かを引き付けてしまうぞ的な感じです)

 

「狂気の笛」(ルルブP256)から発想を得た、笛もどきによるちょっとした狂気体験ストーリー。

 

真相(KP用)

NPC

名前:只野 仁也 

自分は事故物件とか気にしないタイプ、だと思っていた一般人。

すべて平均、特にこれといった特徴はない。

少しやつれている。依頼(部屋を貸す)の間は体を休めるため実家に戻っている。

 

【イベント3】隣の部屋へ

【描写】隣の部屋(203号室)に行こうとした瞬間っ!□

《聞き耳》(強制)判定

成功:正気度-1。隣の部屋(203号室)から聞こえてくる。※【イベント2】の表現目安表を参照

   1回目描写例)胃のあたりがざわざわと嫌な感じがする。確かにこの音は隣の部屋(203号室)から聞こえていた

 

失敗:何も聞こえなかった

 

※音は微かなものなので、意識して《聞き耳》をしなければ確認できないだろう。

隣の部屋(203号室)

 

・玄関扉

【描写】鍵がかかっている。□

《鍵開け》

 成功:静かに鍵を開く。扉を開けると、わずかな明かりでも乱雑に物が溢れかえっているのがわかる。

 

・ベランダ

【描写】月明りでも、乱雑に物が置かれているのが見える。掃き出し窓は少し重く開けづらいが鍵はかかっていないようだ。□

《器用さ》[DEX×5]%

 成功:開く

 

・室内全体

《目星》

 成功:暗くてよく見えないが、《忍び歩き》のように慎重に歩いた方がいいぐらいに山積みされたの物が目に入る。

 

《聞き耳》

 成功:正気度-1.部屋の中心、おそらく机のあたりから聞こえてきた。※ 【イベント2】の表現目安表を参照

   二回目描写例)音が聞こえるとともに、最近起きた嫌なことを

     思い出してしまう。心は重くなるが、その音は部屋の中心

     おそらく机のあたりから聞こえている。

 

《忍び歩き》(懐中電灯等あり+10)

 成功:思った以上に物が多いが、どうにか部屋中央にたどり着く。

 

 失敗:音を立てて、物の雪崩が起こる。

   《幸運》

    成功:状況が状況なだけに当人には大きな音に聞こえたが、

       特に誰かに気づかれた様子はない。

 

    失敗:隣から強く壁ドンされる。物が危なっかしく揺れる中、

      「……あれ?隣留守じゃなかったか?と」隣(204号

      室)の住人の声がする。特になにをするでもない様子だ

      が次は失敗できないだろう。

      ※次からは、[POW×5]%判定成功後に《忍び歩き》の

      判定となる。[POW×5]%判定失敗は「タイミングを失

      い(勇気が出ず)、一歩を踏み出せなかった」となる

 

・机

【描写】机の上も小さな人形や小物であふれている。□

 

《目星》

 成功・失敗:怪しい見た目の物が多すぎる

 

《聞き耳》

 成功:正気度-1。笛を吹くフクロウの置物から音がしている。

    ※ 【イベント2】の表現目安表を参照

   三回目描写例)不快な音だ。嫌な記憶が頭から離れず、心が

     落ち着かない。ざわつく感情の中、笛を吹くフクロウの

     置物から音がしていることに気づく。

笛を吹くフクロウの置物

【描写】全体的に古い印象を受ける。白い笛を吹くようなデザインのフクロウの小さな置物だ。□

 

《目星》※詳しく見る

 成功:白い笛は微かにだが青白く発光しているように見えた。後ろにはネジ巻きがついており、ぜんまい仕掛けの人形のようだ。ネジ巻きと白い笛は取り外せそうだ。

 

《生物学》

 成功:動物の骨で出来ていること、取り外すには劣化しすぎていることがわかる。

[ネジ巻きを取る]

 

【描写】触れた瞬間、静電気のような痛みが走る。持ち直すと外されるのを拒むかのように痛みが増したが、簡単に外すことが出来た。□

→ normalend

 

 

 

[白い笛に触れる]

 

【描写】小さな笛は音もなく粉々になり壊れる。突如、頭に大音量の不吉な旋律が鳴り響いた。□

 

《幸運》

成功:旋律は徐々に聞こえなくなった。どうにか取り乱さずに、音に耐えることができたようだ。

 

失敗:→ badend

 

 

 

[笛は壊してしまったが、ネジ巻きを取ることができた]

 

【描写】ピリッと小さな痛みがあったが、簡単に取り外すことが出来た。□

→ normalend

結末

normalend 

 

耳をすましても、もうあの不吉な旋律は聞こえない。この小さな仕掛け人形が何であったのか、探索者たちは知る由もない。ただ、恐ろしい何かは終わったことはわかる。新聞配達の音がする。ここにはもう用はない。

​1D6の正気度回復(または、聞き耳で失った分を回復してもいい)

 

 

badend 

次の日に依頼主(友人)に部屋(202号室)で発見される。

どうにかして戻ってきたようだが、何も昨夜のことは思い出せない。簡単には拭えぬような恐怖に心が覆われ正気を失ってしまっていたようだ。

依頼主(友人)の問題は解決は出来たようなのだが、あれから探索者は夜になると時折奇妙な音を耳にする……。

​後日談

帰ってきた隣人にフクロウのぜんまい仕掛けの人形について聞くと、カナダ辺りで骨董品等を扱うお店で購入したという。購入後に怪奇現象があったかどうかの質問には、ないと答えるだろう。

 

依頼主(友人)に、隣で起きたことを話さず依頼された怪奇現象三つの解決・推測のみを話すと彼はそこに引っ越すことなく住み続ける。

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