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錫寝山伝説

作成者: 霧野ねこ子

対応システム: CoC

難易度: ★★☆☆☆ 

戦闘: 無 / 発狂: 低  / ロスト: 有

シナリオ傾向: 探索・脱出・シティ /舞台: 現代 

推奨人数: 2人(ソロ可) / 所要時間: 2時間~

推奨職業: -

推奨技能: 目星

怪奇現象に遭遇するためのキーポイントは鈴と朝方に降りる霧。この二つを使い怪奇現象に合わなくともクリアは可能ですが、ただ依頼人に鬼伝説と 巨石の写真程度を渡し田舎の旅館と清々しくちょっとしたトレッキングを楽しんだだけの旅になります。(悪くない旅ですが、TRPGとしては残念かと)

 

NPC佐藤の挙動不審については、探索者たちが来た日の朝に彼は霧のなかを行こうとしました。しかし、別れ道を知らせる鈴の音に驚き(正気度判定ファンブル)どうにか逃げ帰りチキン化しました。ブツブツ言ってたのは、怖いけど見てみたいでも怖いあぁ凄いパワー欲しいやっぱ怖い、そんな葛藤と鈴の音の幻聴(ファンブルの後遺症)によるものです。その幻聴が原因で、盗んだ鈴を投げ捨て逃亡します。

 

ここからが本題です。怪奇現象は鬼伝説をなぞっている様に見えますが、接触してくる少女は別物です。鬼に対する畏怖の念やネット界で広まったパワースポットの噂が一部のマニアに騒がれた事で生まれたのか。たまたま偶然、何かが伝説を利用しているのか。どちらにせよ、犠牲者が出ているのは事実。パワースポットと注目され出した山に潜む怪奇と言うことで、命を狙うものの明記はしません。

シナリオ目的

真相(KP用)

最近流行りだしたパワースポット《錫寝山》について調べる。

本編

導入

 

 オカルト系コラムニストである探索者の知人から、九州にある最近流行っているというパワースポット《錫寝山》について調べて来てほしいと頼まれる。

「旅費とかはこっちで持つ、自分は他のとこを回らないといけないからどうか」とのこと。探索者たちは一泊二日の旅に出ることとなる。

NPC

佐藤 清、31才、うさんくさい自称ジャーナリスト

STR  09 DEX 14 INT 10

CON 11 APP 07 POW 09

SIZ  15  SAN 45 EDU 15

耐久力 13 db 0

武器:なし

技能: 《言いくるめ》45 《聞き耳》80 《写真術》55 《歴史》60 《運転(自動車)》50

2) 錫寝鬼伝説

昔々、錫寝山には鬼が住んでいた。

鬼は麓にある音津村に降りて来ては、田畑を荒らしたり家畜を喰らったりと暴れまわっていたという。

 

ある日、いつものように鬼は麓に降りて来た。

しかし、そこに運悪く錆びた鎌が落ちていた。鬼はそれに気付かずに踏んでしまう。

足に大けがを負ってしまった鬼は慌てふためいて山に逃げ帰って行った。

それから、三日三晩鬼の泣く声が村に聞こえて来た。

 

四日目の朝、鬼が目を覚ますと自分の足元に小さい女の子がいることに気付いた。

女の子は、鬼の酷く膿んだ足の傷に薬を塗っていた。

「おにさん、いまきずをなおしてあげるからね」

それから、女の子は毎朝やってきて薬を塗ってくれた。

 

しかし、そのかいもなく鬼は死んでしまう。

死の間際に鬼は言った、

「ありがとう。私は、ずっと悪い鬼だった。

君はとても心の綺麗な優しい子だ。

こんな私にも手を差し伸べてくれた。

必ず、必ず恩返しをしよう」

 

山の頂上には、死んだ鬼が変化した大きな岩が今でも残っている。

3) 童歌

兄さま探して 声からし

右往左往する 小さき子

 

霧の中から 鈴の音

二つに分かれた 山道に

咲いた可憐な花見つけ

兄さま探して 花を摘む

 

一つ二つ三つめに

兄さま眠る 岩見つけ

二人はともに 眠りつく

              』

近くにケースがあり一緒に鈴が展示されていたようだが、肝心の鈴が見当たらないことに気付く。

 

4) 涙花

錫寝山の頂上に昔咲いていた、小さくて美しい淡い水色の花

今は観測されることがないため、絶滅したと考えられている。

言い伝えでは、少女の優しさに触れたとき、鬼から流れ落ちた涙が涙花になったとされている。□

 《生物学》または《博物学》をロールし成功すれば、似た花に幻覚作用が

 あったことを思い出せます。

コンビニ、役所
資料館
錫寝山
駅、交番

錫寝山

[通常]

【描写】

山の入り口に古びた鳥居がある。きっちり整備がされているとまではいかないまでも、手入れのされたなだらかな山道が伸びている。□

 

※登山歴がない人でも楽しむことが可能、2、3時間で往復できる山です。

 

頂上

【描写】

山の入り口に鳥居があったが、頂上には巨石と石碑があるだけである。巨石の周りには写真を撮る観光客が集まっている。□

 

巨石

【描写】

周りには観光客が集まり、写真を撮ったり、石に触れている。(探索者が巨石に触れても特に何も感じない。)

三メートル程の大きさ。言われてみれば、鬼のように見えなくもないような気がする形をしている。

 

観光客

中年女性「私の知り合いは、ここに来た後に買った宝くじが当たったって」

男女二人「私達この山で出会って、ちょっと前に結婚しました」

老人「よくここ登ってるからかね、お陰さまでこの年でも健康健康」

石碑

【描写】

巨石の横に苔むした石碑がある。

『今は昔

    霧の深き山なれど ・・・・・・』

風化と苔によりその先はわからない。□

音津村

ねづむら、コンビニがある程度のよくある小さな村。

ここの地はどこででも手に入る。

主な行き先

特筆すべき情報はない

【描写】

小じんまりした駅、そこそこ人が行き来している。□

交番

【描写】

小さな交番、愛想のない巡査がいる。□

急増した観光客に不満があるようだが、何か知りたければ資料館へ行くよう教えてくれます。

しつこく聞くなどすると

「君達もあの胡散臭い連中の仲間か!あいつらのお陰で私も忙しくてね、君らも変なことするなよ!」

と探索者を追い払います。

【描写】

探索者が立ち去ろうとすると、巡査が「あの山は小さいがな、たまに行方不明者が出ているだ。君達も気をつける事だ」と言ってきます。

 

コンビニ

店員の持つ情報

・山の上にある岩がパワースポットとして人気

・この季節だと、朝は錫寝山に霧がかかって美しいこと

・小さい山なのにたまに行方不明者が出ている

 

役場

資料館に行くよう勧められる。

資料館

【描写】

音津村の文化や歴史、出土品、錫寝山についてなど色々とあるようだ。□

ここで手に入る情報

1) 山

2) 伝説

3) 童歌

4) 花

《目星》で一つずつ開示してください。(童歌は他のとこでも出てきます)

※ここで重要な情報は2)錫寝鬼伝説と3)童歌+鈴の二つ、4)涙花も本筋に関与しますがなくてもクリアに支障はありません

1)山詳細

【イベント】

石碑を見ていると突然後ろに気配を感じる。チリーン、探索者たちが振り向く前に小さな鈴の音…よく分からない恐怖感に教われながら振り返るとすぐ近くに白髪の老婆が!正気度チェック(0/1D3)□

 

老婆は質問に何も答えないが、少しRPタイムをいれ、ちょっと時間が経ってから唐突に盲の老婆は『童歌』を歌いだし立ち去っていきます。

 

老婆情報

・着物を着た白髪の老婆

・目が見ないようだ

・杖に鈴がついている

 

​[条件:朝+鈴を持っている場合]

※霧のなかでは、スマホ等は圏外になる。

【描写】

少し肌寒いなか錫寝山に向かうと、山道入口の鳥居あたりにも濃い霧が垂れこんでおり如何にもな雰囲気に包まれている。随分と霧が濃く思いのほか先が見えない。□

【イベント1】

探索者が錫寝山中腹を越えたあたりで、遠くから鈴の音が聞こえる。□

 

《聞き耳》をした場合、小さく童歌が聞こえる。少女のような、老婆のような奇妙な歌声に得も言われぬ恐怖を感じることだろう。

※正気度チェック(0/1)してもよい

【イベント2】

【描写】

少し歩を進めると、探索者の持つ鈴が突如鳴り出す。正気度チェック(0/1D3)

鈴の音に反応し終えると探索者の前に、けもの道のように細い横にそれる道があることに気付く。なにやら奥の方から視線を感じる。□

※《目星》等行うと、舐めるような視線を感じた後何かが道の奥へと走っていくのが見えます。

 

【イベント3】

【描写】

さらに進んでいくと、

「ねぇあなたには、あいするものはある?」

どこからともなく少女の声がする。それは幼い少女の声なのに、何故か背筋も凍るような恐怖が漂っている。正気度チェック(0/1D3)。

 

再び声がする。

「ねぇあなたには、あいするものはある?」

※「はい」か「いいえ」で探索者が答えてくれるまで、質問を少女に繰り返させてください。誰か一人が答え次第次の質問に移ってください。

「ねぇひとのものをかってにとったことってある?」

 

「ねぇちゃんとあなたはしょうじきにこたえてくれた?」

※二 番目の質問が肝で、キーの鈴はNPCが資料館から盗んだ物を(捨てたとはいえ)取ってきたものですので、『はい』と答えるにが正解です。ただ『いいえ』と 答えても三番目で素直に回答すれば大丈夫です。(鈴を元々持っている、または購入してしまった場合は全問素直に答えていればセーフです)

正直に答えた場合は、【イベント4】へ

嘘を答えた場合は、「じゃあ、こっちにきて」と突如現れた少女に言われ[badend:陥れるもの]

【イベント4】

【描写】

「そっか。あなたはしょうじきものなんだね」

少女の声がそう言うと、小さな鈴の音が聞こえた。

そちらを見ると、青い花畑が広がっており鈴の音は奥からしているようだ。しかし、姿を現した少女は反対側に広がる赤い花畑の前で手招きをしている。

「こっちだよ」□

どちらに進むか選んでもらいます。

鈴の音響く青い花畑を選んだ場合、[goodend:優しき心]

少女とともに赤い花畑を選んだ場合、[badend:陥れるもの]

旅館

結末

​[goodend:優しき心]

青い花畑を進むと、そこには楽しそうに花を摘む女の子と鬼の姿あった。笑い声と鈴の音の中で探索者は気を失っていく。

気がつくと、目の前には朝日に照らされ輝く美しい雲海が広がっている。いつの間にか、巨石の前へと来ていたようだ。

その後は何事もなく下山し、旅館にて荷物をまとめ依頼の情報整理を行う探索者。

あの不可思議な出来事について書こうとして手を止める。

そう言えば、手招きをしていた少女と花を摘んでいた子は別だった。伝説、鈴の音、女の子、そして鬼……

もし、あの少女とともに赤い花畑へと行っていたらどうなっていたのだろうか……

『小さい山なのに、たまに行方不明者が出る』

ふと、そんな言葉を思い出す。

助けて、くれたのだろうか。もしそうであるならば、下手に騒ぎ立てるのは危険なのではないか。いや、オカルト雑誌そもそも作り話と流されてしまうことだろう。十分に情報は揃っている、あの出来事は胸のうちにしまっておくことにチリーン、遠くで鈴の音が聞こえた気がした。

 

1D6の正気度回復

pow 1ポイント獲得

報酬総額五万円

イベント入手の鈴(資料館、交番に届けなかった場合)

『魔よけの鈴』

一度だけ、邪なもの攻撃を防ぐ。一度使用すると、輝きを失い効力はなくなる。

 

 

[badend:陥れるもの]※ロスト

少女に手を引かれ、赤い花畑へと足を踏み入れる。気付けば、辺りは深い霧に包まれている。歩くとガリ、ガリ、と何かを踏み砕く音がし、嫌な臭気が鼻を刺す。立ち止まり、足元を見るとそこには赤黒い液体に浸かる骨の山。異様な光景に思わず逃げようとするも、体が動かない。少女の姿はすでになく、ガラガラと足場が崩れていくなか、笑い声だけが響き渡っていた。□

キャラロスト

旅館

【描写】

 

純和風のこじんまりとした旅館。錫寝山が三時間程度で往復出来る山ということもあって、宿泊客はそんなに多くない。□

【イベント】

探索者がチェックインしていると、いかにも怪しげな細身の男性(佐藤清)が慌ただしく入ってくる。挙動不審ぎみに部屋へ戻っていったようだ。  □

 

※必ず探索者は、NPC佐藤の客室1の隣である客室2に泊めてください。(複数人であっても一人は必ず客室2でお願いします)

間取り

スタッフの持つ情報

コンビニと同じ

・山の上にある岩がパワースポットとして人気

・この季節だと、朝は錫寝山に霧がかかって美しいこと

・小さい山なのにたまに行方不明者が出ている

 

以下、NPC佐藤について

・客室1に3日前から宿泊している。

・錫寝鬼伝説について聞いてきた。調べているようだが、スタッフは特に知らない。ただ、『鬼の巨石のところでよく見かける童歌を唄うお婆ちゃんは何か知っているかもしれない。』と教えたことを思い出してくれる。

・今日の朝から、少し様子がおかしいような・・・

 

受付・談話室(フロント・ラウンジ)

間取り図を手に入れられる。

 

売店

よくある売店にありそうなものは置いてある。

例のお婆ちゃんに会った後から、鈴付きの登山用杖が買える。

※ここでキーである鈴を手に入れることも出来ますが、可能ならイベントで入手して欲しいです

 

温泉

男女別。錫寝山が望める露天風呂。乳白色のお湯。

※山の全容について問われた場合、山頂が二つあることに気付く。

 

大広間

広々とした舞台付き大広間。

 

客室(どこも同じ)

八畳の和室。錫寝山が見える。

※山の全容について問われた場合、山頂が二つあることに気付く。

※NPC佐藤はイベントまでずっと部屋に引きこもっています。

ブツブツ言いながら、部屋のなかを彷徨いたり、頭を抱え座ったりしてます。呼び掛けても出てきません。

《聞き耳》成功でも

「鈴が……」「やっぱり」「でももし……」「す、進めばよかった……」程度です。

 

【イベント】

探索者たちが寝ていると、隣の部屋から物音がし目を覚ます。ガザガサという音とともに小さくチリンチリーンと聞こえた後、慌ただしく廊下を走る音がした。□

【描写】ろうか

誰もいない。客室1の襖が空いている。

【イベント】NPC佐藤の客室1

 

ここで手に入る情報

・現在の標高(資料館)と違うことがわかる写真

・オカルトな噂

・鈴

 

【描写】

中を覗くと風が肌を撫でる。少々散らかってはいるが、探索者たちが泊っている部屋と変わらない。□

 

1)机の上の資料

・古い書物を写した写真がある。

錫寝山について書かれており、標高502mと記されているところが赤い丸で囲まれている。

《アイデア》ロール、本来錫寝山と呼ばれていた山は別なのではないか?再び風が肌を撫で顔を上げると、窓から月明かりに妖しく照らされた錫寝山のもう一つの山頂が目を引いた。

 

・オカルト掲示板のコピーがある。

『最近流行りの錫寝山、また行方不明者』『錫寝山は心に穢れがあると、鬼に喰われ二度 と戻ってこないらしい。ただ、もし無事に帰ってこれたのなら凄いパワーが貰えるのだとか。』『実際鬼に会ったって』『マジで、俺も見たい。』『パワース ポットには興味ないが、気になる』『登ってみたけど何もなかった。』『普通に登るんじゃ意味がないっぽい』など賑わいを見せている。

2)窓

窓が開いている。下を覗くと何かがキラリと光る

➡茂みのなかに、古そうなのに何故か綺麗に輝く鈴がある

※ここの《目星》等ロールの有無はKPに任せます。

 

3)ここで今まで入手出来てない情報は全て出してしまってもかまいません。

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